近年シニア世代を中心に、いわゆる「終活」が注目されています。老後のライフスタイルを積極的に考える人が増えているようです。
かつては、一度マイホームを購入したら、ずっとそこに住み続けるという考え方が一般的でした。
しかし近年ではライフスタイルが多様化し、自分にあった暮らし方をしたいと考える人が増えてきています。それに伴い、一戸建てに住んでいた方が定年をむかえ、シニア世代になると「広い庭の手入れが大変になってきた」、「子供が独立して部屋を持て余すようになった」、「階段の昇り降りが億劫になってきた」という悩みも多いもの。そのため、郊外の一戸建てを引き払い、都市部のマンションへの住み替えを考える人が増えています。
お勧めのマンションの規模
マンションの大きさによる区分は明確に定義されていませんが、一般的に50戸未満の物件を小規模マンション、それ以上のものを中規模、大規模マンションと呼ぶことが多いようです。
老後に暮らすマンションは100戸程度の中規模の物件をオススメします。これくらいの規模であれば、管理人が常駐することも多く、共用設備の利用手続きや、マンションで生活するうえでのさまざまな要望の窓口となる管理人が常駐している方が便利です。管理人の勤務時間は昼間が多いですが、リタイア後のシニアであれば、その時間に管理人に会うことも難しくありませんよね?!
大規模マンションの場合は、エントランスから出口までが遠かったり、エレベーターでの上り下りが面倒だったりもしますが、中規模マンションであれば、外に出るのに時間がかかることもなく、ついつい外出がおっくうになることもなさそうな気がします。
暮らしのスリム化
「広い庭の手入れが大変になってきた」、「子供が独立して部屋を持て余すようになった」、「階段の昇り降りが億劫になってきた」という悩みも多く、そのため、郊外の一戸建てを引き払い、都市部のマンションへの住み替えを考える人が増えているようです。
リタイア後70・80代と年齢を重ねて行くことを見越し、バリアフリー設計のマンションを選び、部屋数が少ないマンションへ住み替えれば、光熱費やメンテナンス費用なども抑えられる『暮らしのスリム化』をはかることができますし、近年はほとんどのマンションがオートロック機能を備えているので、セキュリティ面でも安心。
若い頃は苦に感じなかった車が不可欠な生活が、シニア世代になって難しくなり、マンションは利便性の高い場所に建てられていることが多いので、毎日の買い物へ歩いて行ける、病院や介護関係の施設が近隣にある、というのも安心できるポイントとなるようです。
思わぬ出費に備えて資金計画もしておきたい
50代でマンションを購入する際に気になるのは、資金計画ではないでしょうか。ローン申込時の年齢が上がるほど借入金の返済期間が短くなるため、30〜40代に比べると審査は厳しくなります。
シニア世代の場合は、定年退職後の支払い能力があるかどうか、退職金の金額や相続が予想される資産の見込みなども考慮されます。借入できる金額が少なくなるため、自己資金を多く用意しておく必要があります。
また、老後は医療費など思わぬ出費も予想して「借りられる金額」よりも、「返せる金額」であるかが大切です。
無理のない資金計画を立て置いた方がいいですね!
住宅ローンがまだ残っている時は
住宅ローンがあるまま住替えするには?
家を購入する人の多くが30年ほどのローンを組むため、50代ではまだ借入金が残っていることも多いでしょう。ローンが残っている家を売却する場合は、売却代金で借入金を一括返済する必要があります。
もし売却金額が借入金よりも低かった場合には、新しく購入するマンションを担保に、前の家の残債も含めた「住み替えローン」を組むことも可能ですが、できればもう住宅ローンは組みたくないですよね?!
前の住まいが思ったほどの金額で売却できないこともあります。一般的には、築20年経過した一戸建ての評価額はほぼゼロで、土地代のみの評価となり、マンションの場合は新築時の半額程度になることが多いです。住み替えを考え始めたら、早めに不動産会社に売却査定を依頼してみた方がいいです。
リバースモーゲージの利用を考える
持ち家が戸建ての場合はもちろん分譲マンションでも利用することが可能です。
老後の資金計画のひとつとして、「リバースモーゲージ」というシニア世代ならではの金融商品もあります。55歳以上80歳未満の人を対象に、自宅を担保に金融機関や地方自治体からお金が借りられるサービスです。毎月の返済は利息分のみで、元本は死亡後に自宅を換金して一括返済するシステムなので、不動産を相続する人がいないシニアにおすすめです。
マンションは土地の資産価値が低いため、リバースモーゲージを戸建てに限定している金融機関が多いのが現状ですが、マンションでもリバースモーゲージが受けられる金融機関がありますので紹介しておきます。
◎みずほ銀行「みずほプライムエイジ」
◎東京スター銀行「充実人生」
◎群馬銀行「夢のつづき」
◎三井住友信託銀行「不動産活用ローン(リバースモーゲージ)」
※住宅金融支援機構が提供するリバースモーゲージでは、住まいに関する5つ(本人が居住する住宅の建設・購入、リフォーム、高齢者向け住宅への入居一時金、住宅ローンの借りかえ、子世帯などの住宅資金)の用途のみで、生活資金としては利用できません。
金融機関ごとに、ローンの対象となる年齢、担保の条件、融資限度額などは異なりますので、詳しいことは各銀行に相談してみてくださいね!
※地方自治体の社会福祉協議会が提供しているリバースモーゲージは、自立支援を目的としているため、老後の生活資金のみにしか利用できません。
静岡市では『静岡市社会福祉協議会』で相談することができます。リンクを貼っておきますのでそちらも見てみてください。
資金貸付の相談窓口
最後まで読んでくださりありがとうございました(^ ^)