不動産広告や物件情報に、駅から徒歩5分、小学校まで徒歩10分なんて書いてありますよね。
物件から駅まで、など目的地までの距離を徒歩何分で分かりやすく表示しているのですが、
2021年5月7日にNHK「ちこちゃんに叱られる」で放送された質問。
『不動産広告の「徒歩○分」ってなに基準?』
なに基準って聞かれても、分からないですよね~。
あれって基準があるんです。
あるって知ってたんですが、私自身知らない事が多かったので、ご紹介します!
『80mが徒歩1分』で計算してます!
宅建取引士の試験にも出ます。
80m=徒歩1分。
言ってみれば不動産屋さんにとって、これは基本。
でも、なんで…80m?が徒歩1分に決まったのか…。
ぼーっとしてて…分からなかった。
まさに
”チコちゃんに叱られる” です。
「チコちゃんに叱られる」によると、
この徒歩1分は、「ヒールを履いた鈴木深雪さん」の歩いた距離。
で、だいたい80m。
1963年・昭和38年に、決まったそうです。
ってどういうことか興味がわいてきました?😄
その経緯とは、
昭和30年頃の不動産広告。
当時、うそ、偽り、おおげさな広告が横行していました。
例えば、最寄り駅から徒歩6分と見せかけて、
実際は35kmも離れていたり。
電気・電話・水道も引き込み済みと書いているにも関わらず、
実際はデタラメだったり。
そこで、
当時の公正取引委員会の鈴木深雪さん(東大法学部卒)が登場!
法学部出身で法律のスペシャリストでもあったので、不動産の公正競争規約制定の担当者に選ばれることになったのです。
規約制定の会議が行われると、
当然、不動産というのは駅から近ければ近いほど価値が上がるもので、
そう消費者に感じさせるためにも、不動産業界からは徒歩1分=100mという数字が主張されることになります。
これに異を唱えた鈴木深雪さんは実際に自分で歩いて計測する事に!
山歩きが趣味で健脚だったという鈴木深雪さんは、当時持っていた靴の中で一番かかとの高い靴を履き、せっかちな性格に反してかなりゆっくりしたペースで歩いて計測。
そこで弾き出したのが徒歩1分=80mという基準です。
その後、1990年に書かれた人の歩く速度についての論文によると、10歳から60歳男女の平均歩行速度は分速77.3mで、この数字は妥当な数字と証明されました。
ちなみに、1分未満の端数が生じた場合は、切り上げて1分として表示しています。
例えば、距離が360mの場合
360m÷80m=4.5分 なので、
広告表示は 徒歩5分 となります。
実際に歩いてみると…長く感じるのは
実際に駅から物件まで歩いてみると、広告に書かれている距離より長く感じ場合があります。
それは、実際長いんです。
なぜか?
例えば駅から物件までの場合。
スタートの駅は、改札からではありません。
広告に書かれるスタートは、駅の出入り口からになります。
それから、信号や踏切、はたまた坂道なんかの時間は考慮せずに進んでいき、ゴールは物件の敷地の一番近い地点までになります。
TVの実験では、徒歩15分が20分ほどかかっていました。
距離があるほど、時間差が大きくなります。
物件探しをするときには周辺環境などを考慮し、少し時間をプラスして考えてみてくださいね。
ちなみに「チコちゃんに叱られる」の解説は、日本で唯一、不動産学部がある明海大学の中城康彦教授でした。
千葉県にある大学だそうです。不動産学って初めてききましたが、アメリカやヨーロッパで盛んらしいです。
その他の不動産広告の基準
トラブルにならない為に、不動産広告には色々なルールがあります。
そこで、少しご紹介。
不動産広告を見る時に参考にしてください。
◎ 新築…完成して1年未満で、居住していないもの。
ちなみに、1年以上経ってしまったものは「未入居住宅」になります。
◎ 価格は税込みで表示。
◎ おとり広告は禁止…存在しない物件や取引できない物件、取引する意思のない物件を広告に掲載することを禁止。
◎ 不当な二重価格表示は禁止…3,000万円→2,800万円になりました! みたいな表示です。
築2年越の中古住宅の場合は、二重価格の表示ができません。新築住宅などは、詳細を記入した上であれば表示が可能です。
◎ 「最高」「最上級」「日本一」「格安」「掘り出し」などの誇大広告、いわゆる大げさな表現は、根拠を示す資料がなければ表示してはいけない。
なので、これらの言葉、不動産広告ではほどんど見かけないと思います。
◎ 来場者への景品プレゼントは、10万円か取引金額の20倍のどちらか低い金額までで、総額取引予定総額の2%まで。
などその他、細かく必要な表示事項などが決められています。
誤解を招かないように、客観的に、かつ、その物件の魅力を紹介をしていきたいと思います(^.^)/
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