中古物件を扱っているので、お客様から「木造の建物ってどの位もつの?」「マンションの耐久年数は?」と聞かれます。
ん~悩ましい質問です。
ただ一つ言えるのは、「耐久年数と建物の寿命はイコールではない」という事です。
法定耐用年数に惑わされないで
木造住宅22年、マンション47年という言葉を聞いたことありますか?
この数字、税務署で使用している数字で「法定耐用年数」というものです。
どんな時に使う数字かといいますと、税金の計算に使います。
アパートの大家さんなどが、納税の申告の計算をするために法定耐用年数を使用しています。
なので、この「耐用年数」イコール建物の寿命ではないということです。
減価償却資産の耐用年数(建物)
建物の種類 | 構造・用途 | 耐用年数 |
一戸建て | 木造・住宅用 | 22年 |
マンション | 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造・住宅用 | 47年 |
いったい何年住むことができる?
国交省の「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」からみると、木造は30年~80年、鉄骨構造は30年~60年、そしてマンションによく使われる鉄筋コンクリート構造(RC造)は40年~90年となっています。
住宅構造 | 寿命 |
木造 | 30年~80年 |
鉄骨構造 | 30年~60年 |
鉄筋コンクリート構造 | 40年~90年 |
なんだか年数にかなりの幅がありますね(^_^;)
管理状態や周辺環境によってだいぶ変わってくるということです。
車もオイル交換したり車検に出したりするのと同じで、お家も点検やメンテナンスを行えば長く快適に暮らせることができると言えます。
マンションの内覧に行く際には、お部屋だけでなく共有部分のエントランスホールやエレベーターなど手入れが行き届いているかな、外壁塗装はし直してあるかというちょっとした事を見比べることも大切になってきます。
私達不動産業者は建物に関して専門家ではないので、建物の劣化や不具合の状況を判断できないのが現状です。
最近では、住宅の設計・施工に詳しい専門家が、住宅の劣化状況、欠陥の有無などを診断する「ホームインスペクション(住宅診断)」の重要性が提言されてきています。
「ホームインスペクション」のメリットとしては、
①より安心して購入の判断ができる事。②メンテナンスの見通しが立てやすい事があげられます。
費用は、目視による住宅診断の場合、5~6万円前後位。機材を使用して耐震診断を含む詳細診断をする場合10万円以上になることもあります。
※国交省では、中古住宅の取引時点の物件の状態・品質を把握できるように、2012年に「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を策定し、検査・調査を行う者の技術的能力の確保や検査・調査の項目・方法のあり方についてガイドラインを提示しています。
どんなものでも必ず劣化はあるものです。メンテナンスフリーなんてないと私は思っています。
メンテナンスしながら、暮らしやすい自分達のお家を作っていけたら愛着もわいて長く住むことができると思います(^_^)
では、日本の住宅は建て替えが多いのか…
建物自体より設備(キッチン・お風呂など)が劣化し、それをリフォームするのにお金がかかる→お金がかかるならいっその事新築に建替えましょう!
という流れになっているように感じます。
例えば、築40年・50坪のお家を耐震補強工事、リノベーション工事で、1,000万円かけて行う。 と聞いたら、高いと思いますか?
同じ大きさの新築住宅を建築すると、坪@60万円として、3,000万円かかりますから決して高いわけではないと思いますが、どのように考えるかは住む人それぞれですので、参考にしていただければと思います(^.^)
日本最古の木造建築物は…
私たちの周りにも、古民家と呼ばれる築100年以上の家ってけっこうありますよね。木の温もりがあって味があって素敵ですよね。目を引きます。
じゃあどれくらい古い建物があるのかちょっと気になって調べてみました。
日本最古の木造建築物は、なんと!あの聖徳太子の時代に建てられた鐘もなるなる「法隆寺」です。築1,300年以上の建物です。
今度行ったらじっくり見てこようと思います(^_^)/
この法隆寺、定期的に点検やメンテナンスを行ってきたのはもちろんですが、1985年まで続いた昭和の大改装で古びた柱を解体しカンナをかけると「生のヒノキの香り」が漂うほど状態が良かったとの事です。実際に木を差し替えたのは雨風があたる軒の部分がほどんどだったそうです。すごくないですか!木!
そしてコンクリート造もすごいですよ。
教科書やTVなどで見るローマのコロッセオやパンテオンは、古代ローマ時代の建築物で築2,000年以上!
「ローマンコンクリート」というもので出来ているそうです。現代のコンクリートとは材料や工程が違うそうですが、2,000年ももっています!すごくないですか!コンクリート!
木造住宅の弱いところは…
木造住宅の弱いところ、それはまさしく「火」です。
消防庁によると令和元年(1月~12月)の火災件数は37,538件。1日あたり103件おきているそうです。10年前と比べれば9,000件あまり減っていますがなかなかの数ですね。
消防庁火災統計
この統計からみると火事で亡くなった人のうち80.6%は、建物火災(住宅、工場、店舗など含む)で亡くなっています。また、そのうち一般住宅や共同住宅で亡くなった人の割合は80.4%にもなります。
出火件数で見ると、建物火災のうち住宅火災の割合は51.1%ですので、比較すると住宅火災の件数は全体の半分ですが、亡くなる割合は非常に高くなってると考えられます。
万が一、火災が起きてしまったときは人命第一です!
初期感知のための火災報知器を付け、初期消火で最小限でおさえたいですね。
中古住宅や中古マンションには火災報知器が付いてない物件もあります。
入居するときには是非チェックしてください。
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(もちろん、しつこい勧誘や営業は一切しませんのでご安心ください\(^o^)/)
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